~相対湿度ではなく絶対湿度を見る~
みなさま、こんにちは。
栃木県真岡市で高気密高断熱、高耐震、高耐久、自然素材の新築と断熱改修、耐震改修リフォーム、リノベーションを手掛ける工務店です。
NKC工務店の西川です。
先日、東京で講習会があり参加してきました。
お題は『空調の基礎を極める講座(基礎編)』という、
とてもマニアックな講習内容です。

この講座を最初に受講したのは、たぶん4年前ぐらいになると思うのですが、
その時は理解できたと思って帰ってくるのですが、それをわかりやすく嚙み砕いて説明ができないので、わかっている振りをしているだけで全然わかっていないので、今年も受講して少し成長したと思うので、私が考える空調計画について書いてみます。
私は普段、大工として現場に立ちながら、NKC工務店の代表としてお客様の家づくりに携わっています。
周りを見ても高断熱・高気密の住宅がだいぶ普及してきたと感じています。しかし、性能が良い建物を作るだけでは、本当に快適な暮らしはおくれません。
これから梅雨本番になりますが、一年中快適で健康的な住環境を目指すには空気を計画し、温度のほかに湿度も設計する必要があるからです。
温度だけでは快適さは決まらない

私たちは普段、暑い寒いを気にしがちですが、実際は湿度も大きく関係していることは、皆様もおわかりのことだと思います。
空気中にどれだけの水分があるのかも重要になってきます。
湿度湿度と言っても、湿度には2つあるのをご存じでしょうか。
それは、相対湿度と絶対湿度になります。
私たちが一般的に使っているのが「相対湿度」ですが、同じ50%でも空気中に含まれている水分量は大きく違います。
例えば、
温度14℃で相対湿度が50%で、絶対湿度は約5g/㎏DAになります。
温度23℃で相対湿度が50%で、絶対湿度は約9g/㎏DAになります。
温度32℃で相対湿度が50%で、絶対湿度は約15g/㎏DAになります。
温度41℃で相対湿度が50%で、絶対湿度は約25g/㎏DAになります。
このことから同じ50%でも温度によって空気中の水分量は何倍にも変化します。
つまり、湿度50%だから快適とは言えないのです。
そこに適切な温度と空気中にどれだけ水分が含まれているかを見ることが大切なんです。
ドライヤーの例えで理解できた絶対湿度

講座の中でドライヤーを使ったわかりやすい例を紹介いたしますね。
温度16℃で相対湿度が70%の空気にドライヤーの熱を加えると、
温度43℃で相対湿度15%になります。
この数字だけを見ると湿度が下がったように感じます。
しかし、絶対湿度でみると、どちらも8g/㎏DAで同じなんです。
つまり、ドライヤーは水分をなくしたのではなく、温度を上げたことで、相対湿度が下がっただけなんです。
わかりずらいですよね。
この考え方を理解すると湿度計だけでは、本当の空気の状態はわかりません。
空気線図を使って空気を読み解く

空気線図、見たことある方どれくらいいるでしょうか。
この空気線図は、温度、相対湿度、絶対湿度、比エンタルピの関係性がわかる表になります。
これを活用していくと、
なぜ結露が起きるのか。
なぜ除湿が必要なのか。
なぜ快適に感じるのか。
エアコンにどれくらいの能力が必要なのか。がわかります。
この線図を理解することは、私が造る高断熱・高気密の住宅を本当の意味で快適な住まいにするためには必須と感じました。
比エンタルピという考え方

今回、特に勉強になったのが、比エンタルピという考えです。
比エンタルピとは、空気が持っている熱のエネルギーの量になります。
例えば、温度20℃で相対湿度30%の空気は31.1kj/㎏DAですが、温度20℃で相対湿度60%の空気は42.3kj/㎏DAになります。
温度は同じなのに空気中の水分が増えることで、空気が持つエネルギーも増えるんです。
つまり、夏の不快感は温度だけでなく、湿度が持つエネルギーによっても生まれていることになります。
梅雨から夏の時期に欠かせないのがエアコンになりますが、冷房だけでなく除湿性能も非常に大切になります。
エアコン選びの畳数表記合っているの?
昔からエアコンは「〇畳用エアコン」という基準で選ばれてきました。
しかし、今は、そこそこ性能があがってきた建物が多くなってきています。
そのため、従来の畳数だけでエアコンの容量を決めるのは、適切とは言えません。
家の性能・窓の断熱性能・日射取得・換気計画・生活環境、全部を合わせて考えながら、熱負荷計算や実測データをもとに適切な容量を選ぶことが大切になります。
大きすぎても小さすぎても、快適性や省エネ性は損なわれてしまいます。
だからこそ、今回の難しい講義がとても重要であると感じました。
最後になりますが、この講義を通して、NKC工務店が設計施工する建物は、断熱性能や気密性能だけを追求するのではなく、空気線図を活用しながら温度・湿度・換気・空調まで含めた住環境を設計し、お客様に本当に快適で健康な暮らしを送れる住まいをお届けしていきたいと改めて思いました。
家を造るだけでなく、心地よい空気もつくる。
そんな工務店を目指し、これからも学び続けていきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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